前週の市場総括と今後の展開
2025年4月23日(2025年4月14日~15日の週の振り返り)
注:イースターの週末が長かったため、今版は2取引日のみをカバーし、通常よりも遅く発行されます。
主な概況
- 株式は、関税免除の楽観的な見方から急上昇しました。
- ボラティリティは大幅に緩和されましたが、警戒感は根強く残っています。
- ビットコインとイーサリアムは、株式市場の楽観的な見方で上昇しました。
- 米国債利回りは、関税と地政学的な懸念の中で著しく低下しました。
- 金価格は3,300ドルを超える過去最高値付近で急騰しました。
- 米ドルは、中国への新たな輸出制限を受けて急落しました。
市場総括(2025年4月14日〜15日)
株式
- 米国株は月曜日(4月14日)に上昇し、Apple(+2.2%)やDell(+4%)などの自動車や電子機器に恩恵をもたらした一時的な関税の免除に支えられました。FordとGMは3%-6%上昇し、Goldman Sachs(+1.9%)の決算(4月15日)により金融セクターは上昇しました。火曜日(4月15日)、市場はまちまちに転じました。Nvidiaは中国への輸出がブロックされたため、時間外で急落(-5.7%)し、ナスダック先物は2.1%下落しました(4月16日)。
- 欧州株式は月曜日、関税緩和を受けて急騰し、BNP Paribasなどの銀行やMunich Reなどの保険会社が4%-6.5%上昇しました。Stellantis (+6.5%)を含む自動車株は、関税の一時停止が期待される中、火曜日に大幅に上昇しましたが、高級贅沢品関連株のLVMHは決算発表された収益が期待外れであったことから7%下落しました(4月16日)。
- アジア株式はまちまちの取引となりました。日本の日経平均と韓国のKOSPIは、当初、関税の楽観的な見方から恩恵を受けて堅調な動きとなりました。しかし、中国市場は、第1四半期のGDP成長率が5.4%(4月16日)と好調だったにもかかわらず、米中緊張の高まりを受けて水曜日に下落しました。
ボラティリティ
VIX指数は大幅に低下し、短期的な不安が和らいだため、17.8%低下して30.89となりました(4月15日)。VIX指数は、4月16日(火)には30.12までわずかに減少しましたが、Nvidiaの輸出制限による警戒感と不安が先物市場で続いていることを示しています。
デジタル資産
ビットコインとイーサリアムは、株式市場の楽観的な見方の中で月曜日に上昇し、ビットコインは85,507ドル(+1.11%)、イーサリアムは1,641ドル(+1.07%)に達しました(4月15日)。火曜日には、新たな関税の不確実性によりわずかに下落し、ビットコインは83,464ドル(-0.21%)に、イーサリアムは1,573ドル(-0.39%)(4月16日)に下落しました。MicroStrategyは、ビットコインの追加購入後、特に上昇(+3.82%)しました。
債券
米国債利回りは、特に長期金利で低下しました。10年債利回りは、地政学的および貿易上の懸念が続く中(4月16日)、月曜日の4.48%から水曜日の朝には約4.32%に低下しました。2年債利回りは、米国の対中半導体輸出規制(4月16日)によるリスク回避姿勢の高まりにより、火曜日の夜に約3.80%まで急落しました。
商品
金は、長引く貿易摩擦による安全な資産の避難先の需要の増加を反映して、3300ドル付近で過去最高値を更新しました。これで、金は年初来では25%の記録的な上昇となりました(4月16日)。原油価格は、米中貿易問題が深刻化する中、世界的な需要予測が下方修正されたことを受けて下落しました(4月16日)。
通貨
米ドルは、トランプ政権が中国へのチップ輸出を制限する動きを受けて大幅に下落しました。米ドル/スイスフラン(USDCHF)は0.8150を下回り、直近の相場周期での安値に近づきました。米ドル/円(USDJPY)と米ドル/スイスフラン(USDCNH)は、米ドルの広範な弱さを反映して、同様の下落圧力に直面しました(4月16日)。
今週の見通し(2025年4月23日〜25日)
今週のマーケットは、以下の点に注目します。
- 水曜日:米新築住宅販売件数(3月)、米国PMI(購買担当者景気指数・速報値)、米連邦準備制度理事会(FRB)によるベージュブック(地区連銀経済報告)の発表、Boeing、IBM、AT&T、Chipotleの決算発表。
- 木曜日:米・新規失業保険申請件数(04/06-04/12)、米・耐久財受注(速報値)、Alphabet、Intel、Procter & Gambleの決算発表、米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁による連邦準備制度理事会(FRB)に向けた発言。
- 金曜日:米・ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、AbbVieとColgate-Palmoliveの決算発表。
投資家は、関税関連の不確実性が続く中、AlphabetやIntelなどのマグニフィセント・セブン企業の決算、消費者心理に関するデータ、住宅市場に関する指標、複数のFRB高官の発言を注視しています。