先週の主なニュース:関税は一時停止中 - しかし市場の緊張は続いています

「解放記念日」の相互関税の影響と、それに伴うその後の不確実性は、今週に全力で持ち越されました。株式市場の世界的な急落と広範なリスクオフ・センチメントにより、投資家は通貨や金に安全な避難先を求めるようになり、迫り来る景気後退懸念が増幅し始め、VIX指数は一時的に60を超えました。株価指数の動きとしては、Nasdaqが+12%上昇して取引を終えたほか、米国債の大幅な売りにより10年債利回りが50bps急上昇するなど、ここ数年で最大の動きとなりました。これが、米国が90日間の一時停止発表で一部の関税にブレーキをかける一因となった可能性があります。今週の主な記事については、以下をご覧ください。

関税の一時停止が安堵感をもたらす
トランプ米大統領は、水曜日に数十の貿易相手国に打撃を与える予定だった相互関税の引き上げを90日間一時停止すると発表しました。安堵の兆しとして、米国株式は歴史的な上昇を記録し、S&P500は9.5%上昇し、Nasdaqは12.16%上昇し、2001年以来最高の1日のパフォーマンスを記録しました。全体的な関税の不安は未解決のままであり、相場の戻りは脆弱に見えます。

国債の投げ売り
今週は債券が話題となり、10年物国債は50ベーシスポイント急騰し、4.5%と大幅に上昇しました。株式市場の広範な下落が週明けまで続いた一方で、米国債は突然大きな売り圧力にさらされました。これが、トランプ大統領が劇的な相互関税プログラムの一時停止を決定した一因となった可能性があります。

投資家は通貨に避難所を求める
今週、市場がユーロ、日本円、スイスフラン、金の安全資産を求めたため、米ドルは4セッション連続で下落しました。関税の引き上げにより、投資家は米国債の利回り向上を求めるようになり、米国経済の見通しが暗くなり、関税計画が不透明なままとなっています。ユーロは3年ぶりの高値まで上昇し、ドイツ国債が投資家を惹きつけたため、100か月移動平均線を突破しました。一方、日本円は4か月連続で上昇しています。

大手製薬会社は対象を絞った関税に直面
火曜日に共和党の募金ディナーで演説したトランプ大統領は、「医薬品に対する大規模な関税をまもなく発表するつもりだ」と述べました。2024年、医薬品はEUの米国への最大の輸出品であり、その価値は1,270億ドル(1,000億ポンド)と報告されています。

来週は、関税の発表と地政学的な動向が再び支配的になると予想しています。予定されている決算発表には、Goldman Sachs(月)、Johnson & Johnson、Bank of America、Citigroup(火)、ASML、Abbott Laboratories(水)、Taiwan Semiconductor、UnitedHealth、Netflix、American Express(木)が含まれます。第1四半期の結果と同じくらい、関税に関するガイダンスや解説にも焦点が当てられるでしょう。注目すべき主な経済指標は、ドイツの4月ZEW景況感指数(火)、中国第1四半期実質GDP、米国3月小売売上高、パウエルFRB議長の発言(水曜日)、ECB理事会(金利決定会合)、アトランタ連銀第1四半期GDPNow(木曜日)です。